風も吹かない、砂埃も立たない、本当に静かな海岸がありました。
なぜかその海岸はいつも夜でした。
海は真っ黒で遠くの方に小さな島が見えました。
海岸は星の光で明るく、砂の形も星形で真っ白でした。
そこに青年と、少女が座っていました。
はじめは少女に話しかけようと歩き出しましたが、
透明なガラスの壁があり、少女には近づけませんでした。
青年の隣に座ると、彼が本を読んでいることが分かりました。
その本を覗き込むと、見たこともない文字がぎっしり書いてありました。
青年に何故本を読んでいるのか聞くと、彼はお医者さんになるのだと言いました。
それを聞いた私は、彼に、一緒のお医者さんになれるように祈ろうと言いました。
彼はにっこりと微笑むと、夜空を見上げました。
私も彼とともに夜空を見上げると、その中でも一番大きな星を見つめ、
祈る彼を後ろから優しく抱きしめました。